これまでの記事で、「何屋さんか一言で言える（専門店）」ことや、「小さな池（ニッチ市場）」で戦うことの大切さをお話ししました。
では、その「専門店」や「ニッチ」で、お客さんから「あなたがイイ！」と熱狂的に選ばれるためには、何が必要でしょうか？
答えは「ブランディング」です。 「ブランディング」と聞くと、なんだか難しそうですが、かんたんに言えば「〇〇らしさ」を作ることです。 この記事では、なぜ「〇〇らしさ」が儲けにつながるのか、その作り方を解説します。
ブランディングとは「お客さんとの約束」
ブランディングとは、お客さんの頭の中に「このお店は、こういうお店だ」というイメージ（印象）を作り上げることです。
たとえば、以前の記事でも紹介しましたが、あなたが道ばたで「黄色いM」のマークを見つけたら、どう思いますか？ 「あ、マクドナルドだ」と一瞬で分かりますよね 。 そして、
- 「ハンバーガーを売っている」
- 「値段はこれくらい」
- 「すぐに出てくる」
- 「ポテトがおいしい」
と、たくさんの情報を自動的に思い出すはずです。 これが「ブランディング」の力です。 「黄色いM」のマークは、お客さんに対して「ここに来れば、いつものハンバーガーが、いつもの値段で、すぐ食べられますよ」という「約束」をしているのと同じなのです。
あなたのキッチンカーも、お客さんに「あのお店のマーク（色）は、こういうお店だよね」と「一言で言えるイメージ」を持ってもらう必要があります 。
【成功事例】ある「高級ホテル」のキッチンカー戦略
「〇〇らしさ」を伝えることに成功した、ある「高級ホテル」のキッチンカーの例を見てみましょう 。 そのホテルは、ふだんお店に来られない人にも「ホテルの味」を届けようと、キッチンカーを始めました。
彼らが徹底したのは、「すべてをホテル品質（クオリティ）にする」ことでした。
- 車の色：「安っぽい色」ではなく、「格式（かくしき）高い、おちついた色」
- 働く人：Tシャツではなく、「ホテルのものと分かる、ビシッとしたユニフォーム」
- メニュー表：手書きではなく、「ホテルのレストランにあるような、高級感のあるデザイン」
- 値段：安売りはせず、「1,000円や1,500円という、ホテルに見合った『高めの価格設定』」
これらすべてが、「ふつうのキッチンカーとはちがうぞ」という「高級ホテルらしさ」をアピールしています。 その結果、お客さんは「これが、あのホテルのサービスなんだ」と納得し、「高くても、ぜひ体験してみたい」と喜んでお金をはらってくれるのです 。
もし、このキッチンカーが「安っぽいデザイン」で、「Tシャツの店員さん」が、「300円のメニュー」を売っていたら、だれも「高級ホテルのキッチンカーだ」と信じてくれず、ホテルの「ブランド」はこわれてしまったでしょう。
あなたの「〇〇らしさ」はどう作る？
このホテルの例から分かるように、「ブランディング」とは「ロゴマーク」だけのことではありません。
- キッチンカーの「色」や「デザイン」
- あなたの「ユニフォーム」
- メニュー表の「文字」や「写真」
- 商品の「値段」
- お客さんへの「話し方（言葉づかい）」
- 商品をわたすときの「袋」や「入れ物」
これら「すべて」を、あなたが決めた「一つのテーマ」でそろえること。 それが、あなたの「〇〇らしさ（ブランド）」を作り上げます。
「激辛（げきから）専門店（ニッチ市場）」なら、車の色を「燃えるような赤」にしたり、メニュー名を「地獄（じごく）の〇〇」にしたりする。 「オーガニック専門店」なら、車の色を「アースカラー（緑や茶色）」にしたり、ユニフォームを「自然な素材」にしたりする。
こうした「〇〇らしさ」を徹底することで、お客さんに「ここは、ホンモノだ！」と信じてもらえるのです。
まとめ：「らしさ」を貫けば、「ファン」が生まれる
ブランディングとは、あなたのお店の「世界観」を作り、それを「すべて」の行動で「お客さんに伝える」ことです。
- ブランディングとは：お客さんの頭の中に「〇〇らしさ」というイメージ（約束）を作ること 。
- 作り方：ロゴ、車の色、ユニフォーム、値段など、すべてを「一つのテーマ」でそろえる。
- 効果：「高くても、あなたのお店から買いたい！」という「ファン」が生まれる。
「安いから買う」お客さんではなく、「あなたのお店『らしさ』が好きだから買う」というファンを作ること。 それが、ライバルとの値下げ合戦にまきこまれず、長く儲け続けるための最強の戦略なのです。
あなたの「こだわり」、お客さんに伝わる「ブランド」になっていますか？
「『〇〇らしさ』が大事なのはわかった」 「でも、私の『こだわり』を、どうやって『ブランド』にすればいいの？」 「ロゴや車の色、ユニフォームまで、トータルで相談したい！」
そう、ブランディングは「なんとなくカッコよく」やっても失敗します。 あなたが「誰に」届けたいのかをハッキリさせ、そこに向けて「すべて」をデザインする必要があります。
あなただけの「こだわり」を、お客さんから熱狂的（ねっきょうてき）に愛される「最強のブランド」へ。 飲食（いんしょく）店舗の設計とデザインのプロである私たちに、そのお手伝いをさせてください。
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