キッチンカー天丼屋「月50万円」売るには?リアルな杯数シミュレーション

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前の記事で、原価計算(げんかけいさん)の結果、私たちが始めた「天丼屋」は、1杯1,000円で売ると、730円の儲け(限界利益)が出る という、「儲けパワーのつよい」お店だと分かりました。前の記事はこちらから

では、この「1杯730円の儲け」を使って、どうやって経営していくか。 「よし、目標は『月50万円』だ!」 と、ここで大きな目標を立てたとします。

この記事では、この「月50万円」という大きな目標を、「今日、1時間で、何をすべきか」という、誰でも行動できる「小さな目標」にまで、細かく分解していきます。 これこそが、夢を「現実」に変えるシミュレーションです。

目標:「月50万円」は「売上」か「利益」か?

まず、一番大事な質問です。 あなたの目標「月50万円」は、「売上」ですか?それとも「利益」ですか?

これまでの記事で学んだとおり、「売上」だけを見ていると、経費でぜんぶ消えて「赤字」になるワナがありましたね。 私たちは「儲かる」ために経営するのですから、目標は「利益(儲け)」で立てるべきです。

では、「月の利益50万円」を目標に設定してみましょう。

  • 目標:月50万円の「利益(限界利益)」を出す
  • 武器:1杯730円の「儲け」

この目標を達成するために、毎月「何杯」の天丼を売る必要があるでしょうか?

【計算】 50万円(目標利益) ÷ 730円(1杯の儲け) = 684.9杯

出ました。

毎月685杯 。 これが、あなたの「月間目標」です。

「685杯」を「1日」に分解する

「うわ…毎月685杯か…」 と、不安になりましたか? 数字が大きすぎて、ピンと来ませんよね。

では、この「685杯」を、「1日」の目標に分解してみましょう。 キッチンカーですから、週に1日は休みたいですよね。「月26日営業」として計算します

【計算】 685杯(月間目標) ÷ 26日(営業日数) = 26.3杯

どうでしょう? 「毎月685杯」と言われるとムリな気がしますが、 「1日、27杯売ればいい と言われると、なんだか「できそう」な数字に見えてきませんか?

「27杯」を「1時間」に分解する

「1日27杯」という、現実的な目標が見えました。 では、この「27杯」を売るために、どう動けばいいか。 さらに「1時間」の目標にまで分解します。

あなたが出店する「ビジネス街」は、お昼が勝負です。 「お昼の5時間(例:朝10時~午後3時)で営業する」と決めたとします

【計算】 27杯(1日の目標) ÷ 5時間(営業) = 5.4杯

出ました。 「1時間あたり、6杯売ればいいのです。

1時間にたったの6人。 **「10分に1人」**のお客さんをつかまえれば、あなたは「月50万円の利益」という目標を達成できるのです。

このシミュレーションが、あなたを「儲かるオーナー」にする

これが、「数字」の力です。

  • ダメな経営者
    • 「月50万か…どうしよう…とりあえず頑張ろう!」(目標が大きすぎて、行動できない)
  • 儲かる経営者
    • 「OK、10分に1人だな。じゃあ、10分に1人のお客さんをさばくには、どうすればいい?」

「10分に1人」という「現実的な目標」が見えたからこそ、あなたは「次の行動」を考えられるようになります。 「10分に1人なら、フライヤー(揚げ物機)は1台でいいかな?」 「いや、お昼の12時台は30分で10人来るかも!?」 「じゃあ、ご飯を炊いておく炊飯器は、何台必要?」

ほら、考えることが、一気に「具体的」になってきましたよね。 この「シミュレーション」こそが、あなたの経営を「なんとなく」から「狙って儲ける」に変える、最強の地図なのです。

まとめ:大きな目標は「1時間」まで分解せよ

「月50万円の利益」という、大きな「夢」。 それは、「1時間6杯」という、小さな「現実」の積み重ねです。

  1. 「利益」で目標を立てる(例:月50万円の利益)
  2. 「1杯の儲け」で割って、「月の杯数」を出す(例:685杯)
  3. 「営業日数」で割って、「1日の杯数」を出す(例:27杯)
  4. 「営業時間」で割って、「1時間の杯数」を出す(例:6杯)

このシミュレーションで「10分に1人」というゴールが見えた今、あなたはもう「何をすればいいか分からない」と迷うことはありません。 次の記事では、この「1日27杯」を「現実」にするための、具体的な「キッチン設備」と「仕込み術」について解説します。

あなたの「1時間の目標」、何杯ですか?

「天丼屋のシミュレーション、すごく現実的!」 「でも、ウチは『唐揚げ屋』だ…『1時間の目標』は何杯なんだろう?」 「私の『月30万円利益』の目標、1日に何杯売ればいいか計算したい!」

そう、このシミュレーションは、「天丼屋」の例でしかありません。 あなたの「儲けパワー(限界利益率)」が違えば、「1時間の目標」も「必要な設備」も、すべて変わってきます。

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→ 次の記事を読む:【第19回】1日27杯売る「天丼屋」のキッチン設備と仕込み術 (※シミュレーションの「行動」を、どう「実践」に落とし込むか、解説します)

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