キッチンカー開業の最大の壁、「保健所の営業許可」。 その保健所の担当者が、あなたの「設計図」を見たときに、真っ先に、そして最も厳しくチェックするポイントが「給排水タンクの容量(大きさ)」です。
「え、水が何リットル入るかなんて、だいたいでいいんじゃないの?」 そう思ったあなたは、非常に危険です。
なぜなら、この「タンクの大きさ」こそが、保健所があなたに「何を売っていいか(メニュー)」を許可する、最強の「基準(ルール)」だからです。 40Lしか積んでいないキッチンカーと、200L積んでいるキッチンカーでは、「できること」がまったく違います。
この記事では、保健所のルールを基に、タンク容量があなたの「メニュー」と「儲け」をどう決定づけてしまうのか、その「壁」について解説します。
なぜ保健所は「タンクの大きさ」を気にするのか?
保健所の仕事は、お客さんが「食中毒」にならないよう、安全を守ることです。 そして、「食中毒」を防ぐために、一番大切なことは何でしょうか? それは「手を洗うこと」と「食器を洗うこと」です。
もし、あなたのキッチンカーのタンクが小さくて、営業の途中で「水」がなくなってしまったら?
- 汚れた手で、食べ物をさわってしまいます。
- 汚れたお皿を、そのまま使ってしまいます。
これが、食中毒の「最大の原因」です。 だから保健所は、「あなたがやろうとしている調理(ちょうり)やメニューなら、最低でも、これくらいの水(タンク容量)がないと、絶対に許可しませんよ」という、きびしいルールを決めているのです。
この「水がどれくらい必要か」は、地域によってルールが違いますが、大きく分けて「40L・80L・200L」という「3つの壁」があることを覚えてください。
【壁1】タンク容量「40L」で、できること・できないこと
まず、キッチンカーで許可が取れる「最低ライン」が、この40Lです。
▼ 40Lタンクで許可されるメニューの例
- 冷凍の唐揚げを、油で揚げるだけ
- 冷凍の肉まんを、蒸すだけ
- 缶ジュースやペットボトルを、コップにあけずに売る
▼ 40Lタンクの特徴
- 品数:単一品目のみ(1種類だけ)
- 調理工程:1工程だけ(「焼くだけ」「揚げるだけ」など)
- 仕込み:車の中での「仕込み」は、一切ダメ
- 食器:「使い捨て」の食器(紙皿やプラスチック)が必須
「40L」でできることは、「すでに完成しているものを、温め直すだけ」の商売です。 車の中で「野菜を切る」「お肉をこねる」といった「仕込み」は、絶対に許可されません。 「唐揚げ」と「クレープ」のように、2種類の商品を売ることも、基本的にはできません。
【壁2】タンク容量「80L」で、できること・できないこと
キッチンカーで「調理がしたい」と考えるなら、最低でも、この「80L」の壁を超える必要があります。
▼ 80Lタンクで許可されるメニューの例
- クレープ(生地を焼いて、トッピングして、提供する)
- ホットドッグ(パンに、焼いたソーセージをはさんで、提供する)
▼ 80Lタンクの特徴
- 品数:複数の品目が可能(ただし、保健所に要確認)
- 調理工程:「2工程まで」(例:生地を「焼く」+トッピングを「乗せる」)
- 仕込み:車の中での「仕込み」は、基本的にはダメ
- 食器:「使い捨て」の食器が必須
「80L」になると、40Lではできなかった「2工程」の調理が許可されます。 これで、あなたのメニューの幅は、一気に広がります。 しかし、注意点があります。「仕込み」はまだ許可されていません。 クレープの「生地」や、ホットドッグの「キャベツ」は、あらかじめ「別の場所(家の台所など)」で仕込んできたものを使わなければいけません。
【壁3】タンク容量「200L」で、できること
もし、あなたが「車の中で、本格的な料理」をしたいなら。 「車の中で、野菜を切ったり、お肉をこねたり、ゼロから仕込みをしたい」と考えるなら、この「200L」という、とてつもなく大きなタンクを積む必要があります。
▼ 200Lタンクで許可されるメニューの例
- ラーメン(スープを温め、麺をゆで、具材を盛り付ける)
- カレーライス(ご飯を盛り付け、カレーをかける)
- 本格的なお弁当
▼ 200Lタンクの特徴
- 調理工程:特に制限なし(複雑な調理ができる)
- 仕込み:車の中での「仕込み」が可能になる
- 食器:使い捨てでなく、「本物の食器」の使用も可能になる(洗浄設備が別に必要)
- 水:パスタをゆでるなど、大量の水を使う調理が可能
「200L」のタンクは、もはや「キッチンカー」ではなく、「走るレストランの厨房」です。 これが許可されれば、あなたのメニューに制限は、ほぼ無くなります。 しかし、200Lもの「水」(重さ200kg)と、使い終わった「汚水200L」を積むための、巨大なスペースと、車のパワー(馬力)が必要になります。
まとめ:「メニュー」から、必要な「タンク」を決めよ!
この「タンクの壁」の恐ろしさが、分かりましたか?
保健所の「事前相談」に行く前に、 「自分がやりたいメニュー(唐揚げ? クレープ? ラーメン?)は、いったい何工程の調理で、どれくらいの水が必要なのか?」 を、真剣(しんけん)に考える必要があります。
そして、保健所の担当者に、 「私は、こういうメニューをやりたいのですが、タンクは何L(リットル)積めば、許可が取れますか?」 と、ハッキリ聞くのです。
「40L」の車を作ってから、「やっぱりクレープがやりたい」と言っても、もう遅いのです。 「タンクの容量」が、あなたの「メニュー」と「儲け」の「未来」を、すべて決めてしまうのです。
その「タンク容量」、あなたが「やりたいメニュー」と合っていますか?
「自分のやりたい『ラーメン』は、200Lも必要だったのか…」 「『40L』で、唐揚げとクレープを売ろうと思っていた…危なかった」 「この『タンクの大きさ』で、本当に保健所の許可が取れるか、不安だ…」
そう、この「タンク容量」こそ、キッチンカー設計の「心臓部」です。 タンクの容量を1mmでも間違えると、あなたの「やりたかったメニュー」は、営業許可がおりず、ただの「夢」で終わってしまいます。
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