前の記事で、「唐揚げ屋さん」を例にして「損益分岐点」、つまり「プラスマイナス・ゼロのライン」を計算する方法を学びました。前回の記事はこちら
「よし、ウチのお店の『ゼロのライン』がわかったぞ!」 でも、もし計算した結果、 「えっ、今月の赤字ライン、200万円!? そんなに売らないと黒字にならないの!?」 と、高すぎる「ゼロのライン」が出てきたら、あなたはどうしますか?
お店をつぶさないためには、この「ゼロのライン(損益分岐点)」を、できるだけ「下げる」必要があります。 その最大のカギをにぎるのが、ステップ2で計算した「限界利益率(げんかいりえきりつ)」です。 今回は、この「限界利益率」という「儲けパワー」が、あなたの経営をどれだけ左右するかを解説します。
「限界利益率」とは、「儲けパワー」のこと
「限界利益率」とは、前の記事で「あなたのお店の『儲けパワー』」だとお話ししました。
- 限界利益率が「10%」のお店
- 1,000円売っても、あなたの「儲け(固定費をはらう前の)」は、たったの100円。
- 儲けパワーが、すごく「よわい」状態です。
- 限界利益率が「60%」のお店
- 1,000円売ったら、あなたの「儲け」は、なんと600円。
- 儲けパワーが、すごく「つよい」状態です。
この「儲けパワー(限界利益率)」が、あなたの「ゼロのライン(損益分岐点)」に、どれだけこわい影響をあたえるか、見てみましょう。
【こわい例】1杯500円のコーヒー屋さん
ここに、1杯500円のコーヒーを売る、2つのお店があります。 どちらのお店も、「固定費」(家賃やローンなど、毎月かならず出ていくお金)は、月20万円だとします。
お店A:「儲けパワー(限界利益率)」が、よわいお店
お店Aは、コーヒー豆(まめ)やカップ、フタなどの「変動費(へんどうひ)」(1杯売るたびにかかるお金)に、450円もかかっていました。
- 1杯の儲け(限界利益):
- 500円(売上) - 450円(変動費) = 50円
- 儲けパワー(限界利益率):
- 50円 ÷ 500円 = 0.1 = 10%
このお店の「儲けパワー」は、たったの10%です。 では、このお店の「損益分岐点(ゼロのライン)」は、いくらになるでしょう? (公式:固定費 ÷ 限界利益率)
20万円(固定費) ÷ 0.1(限界利益率) = 200万円
こわいことが分かりました。 このお店は、毎月200万円も売り上げないと、「赤字」になってしまうのです!
お店B:「儲けパワー(限界利益率)」が、つよいお店
お店Bは、がんばって「変動費」を安くおさえ、300円にしました。
- 1杯の儲け(限界利益):
- 500円(売上) - 300円(変動費) = 200円
- 儲けパワー(限界利益率):
- 200円 ÷ 500円 = 0.4 = 40%
このお店の「儲けパワー」は、40%もあります。 では、このお店の「損益分岐点(ゼロのライン)」は、いくらになるでしょう?
20万円(固定費) ÷ 0.4(限界利益率) = 50万円
おどろきましたか? このお店は、毎月50万円の売上で、「黒字」になるのです!
150円の「変動費」が、運命をわける
2つのお店の「結果」をくらべてみましょう。
| お店A (よわい) | お店B (つよい) | |
| 1杯の「変動費」 | 450円 | 300円 |
| 儲けパワー(限界利益率) | 10% | 40% |
| ゼロのライン(損益分岐点) | 200万円 | 50万円 |
たった150円の「変動費(材料費など)」を安くしただけで、「ゼロのライン」が200万円から50万円へと、150万円も下がったのです!
これが、「限界利益率」のこわさであり、おもしろさです。 「変動費」が上がれば上がるほど、「儲けパワー(限界利益率)」は下がり、あなたの「ゼロのライン(損益分岐点)」は、ロケットのように上がっていってしまうのです 。
まとめ:「固定費」より、まず「変動費」を見ろ!
「赤字」から脱出したいとき、多くのオーナーは「固定費(家賃やローン)」を下げようとします。 でも、家賃を安くするのは、かんたんではありません。
それよりも、もっとかんたんに、そして「効果がバツグン」な方法。 それが、「変動費」を1円でも安くすることです。
- 「変動費」が1円安くなる
- 「儲けパワー(限界利益率)」が、ほんの少し上がる
- 「ゼロのライン(損益分岐点)」が、ガクンと下がる!
「もっと安いカップはないか?」 「この材料、ムダにすてていないか?」 「トッピングの量を、見直せないか?」
この「1円」の努力こそが、あなたのお店の「儲けパワー」をきたえ、赤字になりにくい「つよいお店」を作っていくのです。
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